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  • 【中央酪農会議】海外情勢や新型コロナが酪農家を直撃 日本の酪農家の9割が経営難 ~日本の酪農経営実態調査

  • 2022/06/20 0:00 公開  編集部
  • 一般社団法人中央酪農会議(所在地:東京都千代田区)は、日本の酪農家197人を対象に酪農経営に関する実態調査を行いました。その結果、牛乳消費低迷による収入減に、円安やコロナパンデミック、戦争などの外的要因が酪農家を直撃し、酪農家の9割以上が経営環境の悪化を感じ、このままの環境が続いた場合、半数以上が「酪農経営を続けられない」と答えています。日本の酪農は、今、存続の危機に直面しています。主な調査結果は以下のとおりです。


    日本の酪農は存続の危機

    ・酪農家の92.4%が過去1年間に「経営を困難」に感じ、97.0%が現在「経営の悪化」を感じている。
    ・牧場の経営状況、65.5%が「赤字」。
    ・現在の環境が続いた場合、酪農家の55.8%が「経営を続けられない」と回答。


    海外情勢が酪農家を直撃 牛も生乳も収入減に

    ・経営悪化の要因は、 「円安」(89.8%)、「ウクライナ情勢」(85.3%)、「原油高」(84.3%) 。
    ・減少が大きい収入源は「牛販売の収入」(67.0%)と「生乳販売の収入」(61.9%)


    経営環境の悪化は、酪農業の継続だけでなく、家庭生活の切り詰めも

    ・経営悪化で約7割が「将来に向けた牧場の投資の減少」(67.0%)や「貯金の切り崩し」 (66.5%)を実感。
    ・半数近くが「家族の生活費の切り下げ」(47.7%)や「借入金の増加」(45.2%)と回答、実生活にも影響。


    「日本の酪農経営 実態調査」調査概要

    ■実施時期:2022年6月9日(木)~6月14日(火)
    ■調査手法:アンケート調査
    ■調査対象:国内の酪農家197人
    ■調査主体:一般社団法人中央酪農会議調べ
    ★構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

     

    【日本の酪農家197人に聞く、酪農家の経営実態 】

    日本の酪農業が存続の危機に!酪農家の9割が経営難を感じ、半数以上が「酪農を続けられない」と考えている

    現在、酪農業を営んでいる全国の酪農家197人を対象に、経営状況に関するアンケート調査を行いました。まず、経営環境について聞くと、過去1年間に「経営を困難に感じた」と答えた酪農家は全体の92.4%、現在「経営の悪化」を感じた酪農家は97.0%となり、酪農家のほとんどが経営難を痛感しています。また、経営する牧場の直近1カ月の経営状況を聞くと65.5%が「赤字」と答えました。[図1]。現在の環境が続いた場合、今後も酪農の経営を続けられると思うかと聞くと、55.8%が「続けられない」と答えました[図2]。日本の酪農業は、まさに存続の危機に直面しています。

    【中央酪農会議】海外情勢や新型コロナが酪農家を直撃 日本の酪農家の9割が経営難 ~日本の酪農経営実態調査


    海外情勢が酪農家を直撃 牛や生乳の販売収入の減少が追い打ちをかける

    経営悪化の要因を聞いた所、多かったのが「円安」(89.8%)、「ウクライナ情勢」(85.3%)、「原油高」(84.3%)が挙げられました[図3]。また、現在、酪農の経営を営む上で減少していると感じる収入を聞くと、「牛販売の収入の減少」(67.0%)と「生乳販売の収入の減少」(61.9%)が2大要因となっています[図4]。国際情勢やウイルスによる世界的パンデミックなど、経営努力では如何ともし難い外的要因が酪農家の経営を大きく圧迫しています。

    【中央酪農会議】海外情勢や新型コロナが酪農家を直撃 日本の酪農家の9割が経営難 ~日本の酪農経営実態調査


    経営悪化により生活も切り詰め、将来の見通しも不安に

    経営悪化による影響を聞きました。すると、「貯金の切り崩し」 (66.5%)や「家族の生活費の切り下げ」(47.7%)や「借入金の増加」(45.2%)など、酪農家の実生活にも大きく影響が出ています。また、約7割が「将来に向けた牧場の投資の減少」(67.0%)していると答え、将来への不安も感じられます。 [図5] 日本の酪農家の多くが将来の見通しが立たない状況に追い込まれ、生活費を切り詰め、貯金を切り崩しながら耐え忍んでいることがうかがえます。

    【中央酪農会議】海外情勢や新型コロナが酪農家を直撃 日本の酪農家の9割が経営難 ~日本の酪農経営実態調査

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